出産前検査
超音波検査
妊婦健診中ほぼ毎回受けていただいている超音波検査。妊娠24〜34週にカラードップラー法による超音波精密検査を追加することで、胎児心臓疾患を含め、胎児の形態異常を詳しく診断しています。
ただし、染色体や遺伝子の異常、各臓器の成熟度や機能異常についてはほとんどわかりませんのでご了承ください。
検査結果について
患者様には知る権利に加え、知りたくない権利もございます。もし知りたくない場合にはあらかじめ担当医にお伝え頂きますようお願い申しあげます。その場合はスクリーニングした場合もご本人にはお伝えしない方針とさせていただきます。尚、特に訴えがない場合は知る権利を重視した医療方針とさせていただきます。
母体血清マーカー検査(クアトロテスト)
母体の血液を10ml程度採取し、血中にある4つの成分を分析して、染色体異常と開放性神経管奇形(二分脊椎や無脳症など)を確率診断するスクリーニング検査です(妊娠15週)。
胎児に対して非侵襲的ですので、安心して検査をお受けになっていただくことができます。
羊水検査
羊水中の胎児浮遊細胞から染色体分析法により、ダウン症などの染色体異常を確定診断する検査です(妊娠16〜18週まで)。
子宮に直接針を刺して羊水を採取するため、侵襲的な検査といえます。検査により0.3%の流産が生じうることが報告されております。
当院には臨床遺伝専門医が常駐しており、また東海大学遺伝子医療科とも連携しております。より高度なカウンセリング等もご希望があれば対応可能です。
4Dエコー
胎児の様子を3D映像で
おなかの中の赤ちゃんの動きや表情を、3次元映像で立体的に見ることができます。妊娠中でしか得られない貴重な思い出の映像。ぜひ一度いかがですか?
- 妊娠27週〜30週
- 顔を中心に写したい場合は妊娠28週頃をお勧めします。
- 日時など詳細は「ホスピタルからのお知らせ」にてご確認ください。
エコー用語
- GS
- 胎嚢という妊娠初期に赤ちゃんが入っている袋のこと。
- CRL
- 頭殿長といい、赤ちゃんの頭からお尻までの長さのこと。
- EFW(FW)
- 赤ちゃんの推定体重です。頭の大きさ、太ももの骨の大きさ、お腹の大きさなどから計算して予測したものです。あくまで推定なのでズレがある場合があります。
胎児心臓超音波検査
当院では、出生前に胎児心臓疾患等スクリーニング目的で、一般的超音波検査に加え、原則として妊娠18週あるいは25週前後にカラードップラーによる超音波精密検査を行っています。
当院には月に一度(土曜日午後)神奈川県立こども医療センターから胎児心エコーの名医である川滝先生に来ていただいております。通常のスクリーニングより詳しい評価は、赤ちゃんに必要な治療の準備が可能になるだけではなく、お母さんにとっても安心です。お気軽にご相談ください
患者様には知る権利に加え、知りたくない権利もございます。もし知りたくない場合にはあらかじめ担当医にお伝え頂きますようお願い申しあげます。
その場合はスクリーニングした場合もご本人にはお伝えしない方針とさせていただきます。尚、特に訴えがない場合は知る権利を重視した医療方針とさせていただきます。
分娩について
無痛分娩
麻酔(当院では硬膜外麻酔)を使ってお産の疼痛を軽減し分娩する方法です。子宮収縮や子宮口開大に伴う痛み、出産時の腟・会陰の痛みを脳に伝える神経をブロックします。
当院での分娩妊婦さんの7割の方が選択されており、満足していただいております。ある程度の圧迫感などは残しますからご自身で出産した満足感も失われません。局所麻酔のため、産婦さんは赤ちゃんのうぶ声を聞くことも、誕生直後に赤ちゃんを抱くこともできます。
早期母児接触
通常の出産で生まれた赤ちゃんを分娩室でお母さんがだっこすること。母子が直接肌を触れ合うことで、母乳の分泌が促進される、母子の絆が深まるなどの効果があります。出産直後の赤ちゃんは呼吸や循環の機能が不安定であるため、短時間だけおこなっています。
立会い分娩
原則的には、ご主人さまとご実家のお母さまはLDRにご案内できます。
産婦さんへの励ましと、出産の喜びをご家族で分かち合っていただくことを目的としています。
必要な医学的処置の妨げとなるような行為が見受けられる場合には入室をお断りさせていただきます。
医療連携(母体搬送・新生児搬送)
ハイリスク症例の分娩管理や新生児の重篤な症例について、神奈川県立こども医療センターや北里大学医学部附属病院を中心とした神奈川県母体・新生児救急搬送システムに基づき、緊急時には速やかに搬送することができます。
産科手術
子宮頚管縫縮術
頚管無力症の治療として行われる手術です。
予防的に施行する場合は、当院ではシロッカー法にて妊娠14〜16週の時期に手術しております。入院期間は1週間以内です。手術を受けたほとんどの妊婦さんは、縛った糸を妊娠10ヶ月で抜糸しております。
産科分娩後不妊手術(卵管結紮術)
経腟分娩後2日後あるいは帝王切開分娩中に行う、避妊目的の手術です。
手術時間は30〜40分程で、保険適応はなく、分娩費用以外に別途費用がかかります。ご希望の方は担当医にご相談ください。
帝王切開術について
帝王切開術とは
経腟分娩が不可能な場合や、経腟分娩では危険性が高いと判断された場合に、おなかを切って、赤ちゃんを取り出す方法です。
胎児の大きさや母体の健康状態などから診断し、陣痛が起きる前に計画的に行う「選択的(予定)帝王切開」と、お産の途中でトラブルが発生し、母子が危険と判断されたときに行う「緊急帝王切開」があります。
当院では24時間体制で緊急帝王切開に対応しております。
選択的(予定)帝王切開術
あらかじめ計画的に行う帝王切開です。逆子(骨盤位)・双胎(ふたご)・前置胎盤・児頭骨盤不均衡・前回帝王切開などが該当します。
緊急帝王切開術
お産の途中でトラブルが発生し、母子が危険と判断された時に行います。
当院では24時間体制で対応しております。胎児機能不全・胎盤早期剥離・妊娠高血圧症候群・分娩進行障害などが該当します。
麻酔法
当院の帝王切開術は、脊椎麻酔または硬膜外麻酔(またはその両方)のもとで行います。
いずれも部分麻酔なので手術中でも意識があり、術中に赤ちゃんとご対面することができます。出産後、お母さんには鎮静剤で眠っていただくことがあります。また、術中必要に応じて、全身麻酔に切り替える場合もございます。
いずれも、赤ちゃんに影響がでることはありませんのでご安心ください。
お腹の切開方法
縦切開・横切開希望に応じて行います。今後3人以上出産される予定がある方には、癒着しても次回帝王切開時、術野の展開が容易で合併症の少ない縦切開をお勧めしております。
緊急帝王切開で赤ちゃんを早くとり出す必要がある場合や、子宮筋腫などのために術野を広く展開する必要がある場合には、縦に切開します(縦切開)。以前に帝王切開な どで下腹部を切開している場合は、前の傷跡を切り取るように切開します。
手術後疼痛管理
当院では、術後の疼痛緩和に配慮しております。超緊急帝王切開を要した時以外は硬膜外麻酔のカテーテル(細いチューブ)をつけたまま手術室から帰室します。
これに麻酔薬を充填したバックを接続し自動注入させることで、疼痛緩和に貢献しております。必要に応じて、注射薬や座薬も併用することで、快適にお過ごしいただけるようケアしております。
産後健診
産後母子1週間後健診およびベビー1ヶ月健診
お母さんの産後の身体の回復状態と、赤ちゃんの栄養・発育状態・運動機能の発達をチェックします。
ベビー健診は毎週土曜日新生児専門医が担当し、予約制で行っております。
母子手帳・診察券・赤ちゃんの着替え・おむつなどをご準備ください。
産後3ヶ月後にその後の悩み事の相談に加え、子宮頸癌検査受診を勧めております。
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赤ちゃんの主なチェック事項
- 体重、身長、頭囲、胸囲、黄疸、斜頸、内臓の異常、心雑音、股関節脱臼、頭部チェック
- モロー反射ほか反射反応など
- ヘパプラスチンテスト
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お母さんの主なチェック事項
- 血圧、尿検査
- 子宮復古、悪露
- 授乳状態
- 必要に応じて血液検査(貧血、肝、腎)
- 必要に応じて超音波検査
- エジンバラ産後うつ質問表
その他、産科関連項目
切迫早産・切迫流産
10ヶ月に満たないのに赤ちゃんが生まれてしまいそうな傾向のことを言います。自覚症状としては、お腹のハリや生理痛のような痛みがあります。
また、ハリや痛みがないのに頚管長(子宮の出口の長さ)が短縮する切迫早産のタイプもあります。
自覚症状がないのでわかりにくいですが早産予防のために安静が必要です。
他に、感染が原因でお腹が張ることもあります(絨毛羊膜炎)。おりものの感染チェックをし、陽性(+)なら抗生剤を内服します。
治療としてはまずは安静にすることが第一です。それでも治まらない場合はハリ止めの内服薬、それでも治まらなければ入院して点滴で24時間ハリ止めを投与する必要があります。
陣痛
生理痛のような痛みからはじまることが多いです。規則的に10分に一回、30秒程度持続する痛みがくると陣痛がきたことになります。
お産の進みの早い経産婦さんは15~20分ごとの痛みの段階で、初産婦さんは10~15分ごとの痛みの段階で、連絡の上病院にお越し下さい。平均的に初産婦さんは陣痛がきてから12~14時間、経産婦さんは6~7時間でお産と言われています。
無痛分娩をご希望の方は規則的な痛みを感じた時点でご連絡ください。
クラミジア
性行為によって感染することがあります。お母さんの自覚症状はかゆみやお腹のハリ・痛みが出ることがありますが、無症状のこともあります。
赤ちゃんが産道を通ってくるとき感染すると、眼炎や肺炎を起こす危険があります。22週頃に検査し、検査結果がプラスだった場合は抗生剤の内服を行います。
正期産
妊娠37週から41週6日までのお産をいいます。
36週6日までは早産、42週以降は過期産といいます。また40週(予定日)を過ぎると胎盤の機能が落ちてくることがありますので、赤ちゃんの状態を考えると37週から41週までの間のお産にするのが良いでしょう。
頚管長
子宮の出口の長さのことを言います。ここが短くなると切迫早産の傾向があると言えます。
お腹が張ると短くなりやすいですが、お腹が張らなくても短くなるタイプの切迫早産もあるので22週前後でスクリーニングしています。
キッズコーナー
妊婦健診に来られる妊婦さんのお子様が対象です。また、ご同伴のご家族がいらっしゃらない方のみとなります。
保護者様管理下でのご使用をよろしくお願いします。
診察で離れる際は、スタッフにお声をおかけください。
お子様が元気である場合にご使用ください。
また、お子様間のトラブルは関与致しませんので、ご了承ください。